キミへ

ねぇ、人生を変える決断をする勇気を与えてくれた君を、特別な意味じゃなく大切に思うことは、悪いことじゃないでしょう?

たわいもないメールに返信をくれた。本当は、すぐにでも送り返したい想いも訊きたいこともたくさんたくさんあるけれど。それは出来ないから、こっちに書いて心を留めておきます。

初めて会ったのは3月。でもね、仕事終わるとすーぐに帰っちゃうちゃっかり屋だから、あんまり話す機会は多くはなかったんだよね。

少しずつ話せるようになって、普段は大人ぶってる癖に、笑い話してる時はいたずらっ子だったり笑顔が柔らかかったりして、要はその笑顔にこっちまで優しい気持ちにさせられていたのかな。

エイプリルフールに「嘘ついて」ってけしかけたら、もうひとりのバイトさんに「もう帰らなきゃいけないんです!!」とか、嘘でもほんとでもどっちでもいいけど!、っていうしょーもない嘘ついた時には大笑いしちゃったよ。

農園から、タケノコの値段についてのFAXが間違えて送られてきて、一緒にタケノコの値段を勝手に予測したなあ。

私が仕事中ピンチで弱気になってる時は、決まってケラケラ笑って散々バカにした上で、どっか行っちゃったと思ったら助け船を持って帰って来てくれるんだ。

好きな人ができた、とは言えないし思えません。そんなこと、簡単じゃないことは学んだから。

でも、悩んでいた時、何も考えたくなくて、何も考えられなくなっていた時、用件があって会社から電話をかけようと受話器を取った。まさにその時向こうからの電話があって、「気が合いますね」っていつもの無邪気な調子で言われた瞬間、ああまたいつか人を好きになれるのかもしれない、と思うことができたんだ。

あまりにも忙しい君の生活の中に私の存在がないことは容易に想像できる。でもどうかお願いだからもう少しだけ勇気をくれていて。

いっつも勤務時間を1分過ぎたら打刻しちゃう君が、10分残業(?まあそれが普通というものだけど)して、まあたまにはこれくらいは、お疲れさまですと言った笑顔を正面で見てしまったら、胸が痛くなってしまったんだ。

おはようございます昨日は早々に寝てしまいました。夜遅く送ったメールに朝そんな返信が入っていたから、疲れて寝てしまったところと起きがけを想像して、あまりにも遠すぎて哀しくなったんだ。

いつかは悲しい想い出に変わるでしょう。でももう少しだけ。